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by itarufox
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いしがきじま/石垣島

とにかくここんところ本当に忙しい。
ありきたりな言い方をすれば、ぐうの音もでないくらい。
この1ヶ月で、1日に4時間以上寝れた日は片手に余る。

私の生業は、システムエンジニア、つまりSEというやつだ。
一言にSEといっても、その実態は、勤めている会社や担当する業種によって、
やることは様々であるが、最終的に顧客にソフトウェアを納品するってことで話を進める。

この業界はすっかり「キツイ」業種に分類され、すっかり人手不足だ。
そのせいか、自分も、上流工程である客先との打ち合わせから、設計、開発、
保守まで一気通貫でやっている。

大きな案件であれば、会社としても組織的な対応をしてくれるのだが、
小さな案件の場合、システム導入の教科書に書かれているような「プロジェクトチームを
立ち上げてうんたらかんたら~」っていうのはほとんどない。
普通2人、多くて3人、下手すりゃ1人って案件でプロジェクトチームもくそもない。

幸い自分はプログラムはかなり早くかけるほうだし、自前のコードの部品化も相当進んでる。
何より心強いのは寝ている間に小人たちが出てきて仕事を片付けてくれることだ。
だから冬の夜、寒さに震えている鳥たちを見れば、必ずパンをやるようにしている。

でも、そういう案件が2つも3つも重なってくると、さすがに小人たちも出てくれなくなる。
すると、本体の私もボヤッキー....じゃなくてグロッキーだ。

だから、こんな風にブログを書いている暇があるなら、
生物としての本能に従って寝るか、
職業人の倫理に従って仕事をするべきなのだが、
いかんせん、生身の人間である。どちらにも従わずに単純な欲求に従うこともある。

そのきっかけとなったのは、Kさんからのハガキだ。

Kさんは同じ職場の同僚で、一緒に仕事をさせてもらった仲だ。
随分とお世話になったが、仕事に対する考え方、つまり職業観にかなり違いがあった。
そのせいか、異動になってからは疎遠になり、その数ヵ月後には退職した。

そのKさんからのハガキ。内容は引越のお知らせ。

だが、差出元の住所は、なんと沖縄県石垣島なのである。
よく読むと「移住」の文字が記されていた。

「なんでそこまで..」
「仕事あるのか?..」
「なにかあったのか..」
「そこまでやるか..」
「どうしてそんなこと..」
「本当にやるヒトいるんだ」
「一時のおもいつき」
「しがらみからにげた」
「いつまで持つかなあ」

いろんな考えが脳内をエコーした。

私の眠気はホームランの後の塁上のランナーのように一掃された。

Kさん夫妻は共に30代のDINKS。そして、奥さんの方が強い夫婦だから、
奥さんのGOが無しでは移住は無理、てことは、この移住は、
むしろ奥さんの意向を反映したのかも知れない。
すると、今度はKさんがその話に乗った、ということになるけど、
当時の酷い忙しさを思うと、そんな会社辞めて、暖かいところでのんびり暮らしたい、
と思ってもしょうがない。

移住なんてTV番組の中のことだと思っていたが、
知人にそういう人がいるということで少し特別なことじゃなくなった。
そこで、自分にもそういう時がくるのかどうかを考える....
....老後までそれは無いだろう。職業観の違いだ。
それに、移住に付き合ってくれるような相手もいない。

となると少し悲しくもなるが、そんなことをいつまでもクヨクヨ考えるくらいなら、
寝るか、仕事しようかと思う梅見頃の季節なのだ。
by Itarufox | 2006-03-12 05:30 | 日記/WebLog