みやがわひろし/宮川 泰
2006年 03月 25日
Excite エキサイト : 芸能ニュース
管楽器の穏やかな抑揚から始まるイントロから、ほんの一瞬の間。
そして女性の美しいソロコーラスが始まる。
画面には赤くなった地球に落ちて行く遊星爆弾。
「宇宙戦艦ヤマト」の名シーンである。
小さい頃、「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」を聞いた。
西崎プロデューサーとの会話形式のライナーノートが入っており、
曲の作り方とか、狙いとか、どうやって作ったとかが解説されていた。
細かいことはぜんぜんわからなかったが、映画音楽・サウンドトラックって、
こう作るのかと思って、手ずれするまで読んでいた。
このアルバムで、作曲家・宮川 泰を知った。
これがよくて、私はアニメのサントラにお金を使うようになった。
もちろん「宇宙戦艦ヤマト」のアルバムも買った。
「さらば 宇宙戦艦ヤマト」では、「白色彗星のテーマ」が圧巻だった。
強敵としての存在感が現すパイプオルガンによる重厚な調べ。
「アンドロメダのテーマ」に表現される復興して行く地球。
その象徴たる新型戦艦アンドロメダ。明るいテーマ曲だった。
「宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち」の「ゴルバのテーマ」には驚いた。
敵のテーマ曲に使う楽器は、前作で使用したパイプオルガンのように、
迫力のある楽器だろうと思っていたのだ。
しかし、なんと、それはピアノコンチェルトだったのだ。
華麗なピアノのメロディが、ヤマトと敵要塞との戦いで流れるのだ。
これは、マクロスのリン=ミンメイにつながって行ったのだろうか。
「宇宙戦艦ヤマトⅢ」では、「太陽のテーマ」がポイントだった。
このⅢは、太陽の異常膨張によって、滅亡の危機に瀕する人類を救う、
というのが話のメインである。
そこで、そうなってしまう前の「母なる太陽」と「地球を滅ぼそうとする太陽」の
2つを1曲の中で見事にあらわしていたのだ。
実際のメロディは1つであり、アレンジの違いでどちらをも表現していた。
音楽を専らやっている人にとっては、「あったりまえじゃん」と言われるかもしれないが、
そういう人だって、最初にその「あったりまえ」を理解した瞬間があるはずだ。
それが、私にとっては、宮川先生の曲なのである。
他にもアニメのサントラは持っていたが、音楽としてはヤマトが抜きん出ていた。
今もそうだけど、当時は音楽を聞き分ける耳など全然持ち合わせていなかった。
けど、ヤマトが一番いいと思っていた。
そして、それらのアルバムには、次のような但し書きがあった。
「一つ一つの楽器の音を鮮明に録るには、別取りといって、バイオリンならバイオリンで
各パート毎に、マルチレコーダーーに録音して、後で合成すれば、鮮明な音になる。
しかし、このヤマトではあえて、そういう方法をとらず、オーケストラの演奏として
録音しているので、音がよくないところがあるがご了承ください。」
宮川先生が、他にどういう仕事をされたのかはわからない。
ただ、あの頃、良質の音楽を聴くことができたのは、
宮川先生のお陰だったとしみじみ思う。
謹んでご冥福をお祈りします。
管楽器の穏やかな抑揚から始まるイントロから、ほんの一瞬の間。
そして女性の美しいソロコーラスが始まる。
画面には赤くなった地球に落ちて行く遊星爆弾。
「宇宙戦艦ヤマト」の名シーンである。
小さい頃、「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」を聞いた。
西崎プロデューサーとの会話形式のライナーノートが入っており、
曲の作り方とか、狙いとか、どうやって作ったとかが解説されていた。
細かいことはぜんぜんわからなかったが、映画音楽・サウンドトラックって、
こう作るのかと思って、手ずれするまで読んでいた。
このアルバムで、作曲家・宮川 泰を知った。
これがよくて、私はアニメのサントラにお金を使うようになった。
もちろん「宇宙戦艦ヤマト」のアルバムも買った。
「さらば 宇宙戦艦ヤマト」では、「白色彗星のテーマ」が圧巻だった。
強敵としての存在感が現すパイプオルガンによる重厚な調べ。
「アンドロメダのテーマ」に表現される復興して行く地球。
その象徴たる新型戦艦アンドロメダ。明るいテーマ曲だった。
「宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち」の「ゴルバのテーマ」には驚いた。
敵のテーマ曲に使う楽器は、前作で使用したパイプオルガンのように、
迫力のある楽器だろうと思っていたのだ。
しかし、なんと、それはピアノコンチェルトだったのだ。
華麗なピアノのメロディが、ヤマトと敵要塞との戦いで流れるのだ。
これは、マクロスのリン=ミンメイにつながって行ったのだろうか。
「宇宙戦艦ヤマトⅢ」では、「太陽のテーマ」がポイントだった。
このⅢは、太陽の異常膨張によって、滅亡の危機に瀕する人類を救う、
というのが話のメインである。
そこで、そうなってしまう前の「母なる太陽」と「地球を滅ぼそうとする太陽」の
2つを1曲の中で見事にあらわしていたのだ。
実際のメロディは1つであり、アレンジの違いでどちらをも表現していた。
音楽を専らやっている人にとっては、「あったりまえじゃん」と言われるかもしれないが、
そういう人だって、最初にその「あったりまえ」を理解した瞬間があるはずだ。
それが、私にとっては、宮川先生の曲なのである。
他にもアニメのサントラは持っていたが、音楽としてはヤマトが抜きん出ていた。
今もそうだけど、当時は音楽を聞き分ける耳など全然持ち合わせていなかった。
けど、ヤマトが一番いいと思っていた。
そして、それらのアルバムには、次のような但し書きがあった。
「一つ一つの楽器の音を鮮明に録るには、別取りといって、バイオリンならバイオリンで
各パート毎に、マルチレコーダーーに録音して、後で合成すれば、鮮明な音になる。
しかし、このヤマトではあえて、そういう方法をとらず、オーケストラの演奏として
録音しているので、音がよくないところがあるがご了承ください。」
宮川先生が、他にどういう仕事をされたのかはわからない。
ただ、あの頃、良質の音楽を聴くことができたのは、
宮川先生のお陰だったとしみじみ思う。
謹んでご冥福をお祈りします。
by Itarufox
| 2006-03-25 03:27
| 人/Personality